日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年1月21日気持ちや考えを伝えよう!



★あるネットの投稿


少し前のことですが、ネットである投稿を見つけました。
その投稿をした人のご主人は、幼い頃食事に関して厳しくしつけられたため食事が嫌いでした。しかし、そのご主人が「腹いっぱいや。幸せやな」と言ってくれたのがとてもうれしかったのだそうです。投稿では「本当に夫は食事が嫌いだった。そんな夫がさ、お腹いっぱいで幸せだって言った。思っただけじゃない。ちゃんと夫の言葉で伝えてくれた。 これがねー、嬉しくて嬉しくて」と書かれていました。
私はこれを読んでとても温かい気持ちになりました。家庭内では思っていてもそれを言葉にしないことが多いですね。でも、それを素直に言葉にしたご主人はすごいなぁ、と思ったのです。


満腹な人のイラスト(男性)




★自分の気持ちや考えを話すことはとても重要


このご主人のように、自分の言葉で自分の気持ちを話すということは全ての話をする場面でとても重要な要素です。
家庭内での話に限らず、仕事でも面接でも、自分の気持ちや考えをしっかりと話すということは相手に伝わる話をする上でとても重要なことです。「それは当たり前のことじゃないの?」と思われる方もいらっしゃると思います。しかし、日本話し方センターの各コースの受講生の皆さんは、講座スタート間もない頃のスピーチでは、自分の気持ちや考えをほとんど話しません。




★なぜ気持ちや考えを話さないのか


では、どうして自分の気持ちや考えを話せないのでしょうか。それには幾つかの要因があると感じています。




◎事実を正確に言おうという意識が強い

1つ目は「事実を正確に言おうという意識が強すぎる」からです。
特に仕事で話をする場合、私たちは事実を正確に伝えることを要求されます。仕事で上司に「君の話はさっぱりわからない」と言われたりすると、余計に事実を伝えることに一所懸命になってしまいます。その結果、細大漏らさず伝えねばならないという意識が強くなり、本当に伝えねばならないことだけでなく不要なこともベラベラと話してしまいます。そのあげく「で、君はどうしたいの?」と聞かれて戸惑ってしまう。こうした経験はどなたにでもあると思います。


実は、事実を話すだけでは価値はありません。その事実をどのように解釈して、どう行動に結びつけるか、どういう提案をするか、ということに価値があります。
ぜひ報告は必要な事実だけに留め、その解釈やその事実をもとにした行動を考えて話すことを意識してください。




◎気持ちや考えのつかみ方が浅い

2つ目は「自分の気持ちや考えのつかみ方が浅い」からです。
受講生のスピーチでも「うれしかったです」「とても残念でした」という言葉は出てきます。しかし、これではどのようにうれしかったのか、何がどういう風に残念だったのか、ほとんどわからないので聞き手はモヤモヤしてしまいます。こういう話をした人に「何がうれしかったのですか?」と聞くと「ん~・・・」としばらく考えてから、「話が伝わった、という感じがしたからでしょうか・・・」と確信が持てない感じがする反応を示す方が少なくありません。このように、自分の気持ちや考えをきちんと整理して言葉にする、という意識が薄い人が多いのです。
「聞き手に自分の話が始めて伝わった、ということが実感できて、とてもうれしかったです」
「私は絶対に一番になりたいと思って頑張ってきました。わずかの差で2位になったのは自分の努力が報われない思いがしてとても残念でした」
このように「なぜ、どのように」まで掘り下げて自分の気持ちや考えを話せば、相手に自分の気持ちが伝わり、共感を得ることができるでしょう。


ビジネストークでも日常の雑談でも、自分の気持ちや考えを話すことはとても大切なので、ぜひ意識してください。




★よりよい話し方を身につけましょう!


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでは、自分の気持ちや考えを適切に伝えることにも重点を置いてご指導しています。真に言いたいことが的確に相手に伝わる話し方をぜひ学んでください!

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